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読書の時間 「カレンダーから世界を見る」 [読書・本]

[本]カレンダーから世界を見る[本]
   中牧弘允 (白水社 1575円)
   2009年第55回青少年読書感想文全国コンクール・課題図書(高等学校の部)
カレンダーから世界を見る.jpg

【内容紹介】
 時間はひとつじゃない!この地球にはたくさんの時間があふれています。眼に見えない時間の流れを、古今東西のカレンダーをとおして楽しんでみませんか。・・・・という帯の言葉に惹かれて、この本を手にした。この本は“「ちがい」があるから世界はおもしろい!”をコンセプトに作られた「地球のカタチ」シリーズの一冊である。
 世界各地のいろんなカレンダーをもとに、さまざまな文化や考え方を紹介している。
 

【感想】
 知らないことを知ることは楽しい。世界には、いろんなカレンダーがあって、それを使う人々やその歴史や文化や、・・・・とにかくいろんなことを知ることができた。[わーい(嬉しい顔)]

 私は、子どもの頃(幼稚園ぐらい?)、暦を見ては「ネー、ウシ、トラ、ウー、タツ、ミー・・・・」と唱えることが好きな子どもであった。暦の(カレンダーではなく、「暦」と呼ぶ方がぴったりする)日付のところに描いてある十二支の絵を見てのことだが。たぶん年寄りの誰かが教え込んだのだと思う。
 そして、そのそばには旧暦の日付がもれなく書き込まれていた。けっこう旧暦行事を行う田舎に生まれ育ったものだから、それもインプットされた。そんなこんなで、暦好きの人間になった。(好きだけど、普段の生活では日付や曜日が分からなくなることがしょっちゅう・・・[モバQ]
 ちなみに我が家のメインカレンダーは、月光天文台発行の「太陽・月・星のこよみ」である。
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 天文[夜]に関する情報満載で、眺めているだけで楽しい。[揺れるハート]

 暦好きではあるが、自分が使っている暦(新暦、旧暦もふくめて)が全てだと思いこんでいたので、1年が12か月ではなかったり、新年が1月始まりではなかったりするものがあることを知って、新鮮な驚きだった。
 海外旅行に行ったら、お土産にカレンダーを買おう![ひらめき]


    [猫]中高生へのおすすめ度 ★★★★☆

 


読書の時間 「赤毛の女医アン」 [読書・本]

[本]赤毛の女医アン[本]
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  福田隆浩  (講談社 997円) YA! ENTERTAINMENT

【内容紹介】
 読んだのが、少し前、お盆の頃なので・・・・ 新鮮な感動はお届けできませんが。
でも、おもしろかったよ!

 主人公は、准看護師のひとみ。都会の病院をわずか1年半足らずで辞め、アパートに引きこもっていたところに再就職の話が舞い込む。その山間の町の診療所に向かう列車の中で、赤毛のカーリーヘアの風変わりな女性に出会う。それが、タイトルの「アン先生」。
 ひとみの目を通して、アン先生や診療所で働く人、患者さんたちが描かれている。診療所に誰も来ない!というピンチは切り抜けられるのか!?さまざまなできごとの中で、ひとみの過去もだんだんと解き明かされていく。


【感想】
 そういえば、診療所で働く医師たちのTVドラマがあったなあ~。(私は、そのドラマを見ていないのでよくわからないが)ドラマの4回分という感じかな?明るく描かれていて、さらっと読めた。
 赤毛のアン先生が魅力的!ひとみが心惹かれるのに合わせて、読んでいる私もアン先生のファンになっていった。
町の人たちも、それぞれ事情を抱えているが温かい。

 「あなたは、あなたのままでいいんだよ」というメッセージが伝わってくる。

 作者は、特別支援学校の先生。以前、同じ作者の「この素晴らしき世界に生まれて」(小峰書店)を読んだが、やはり「自分の居場所」について考えさせられる話だった。(この本は、超おすすめ![ぴかぴか(新しい)] 星5つ!!)
この素晴らしき世界に生まれて.jpg
 「赤毛の女医アン」にも、そんな作者の普段の生活が反映されている人物が出てくる。


    [猫]中高生へのおすすめ度 ★★★★☆

読書の時間 「月のえくぼ(クレーター)を見た男 麻田剛立」 [読書・本]

[本]月のえくぼ(クレーター)を見た男 麻田剛立[本]
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鹿毛敏夫 (くもん出版 1470円) 2009年度課題図書(第55回青少年読書感想文全国コンクール課題図書) 

【内容紹介】
 200年以上前の江戸時代、大宇宙マクロ・コスモスと小宇宙ミクロ・コスモスを究めた男がいた。大阪に天文塾「先事館」を開き、日本の近代天文学の礎となった麻田剛立(あさだごうりゅう)の生涯を、彼の生きた時代と支えた人々とのつながりの中で描く。

 はじめに クレーター・アサダと麻田剛立
 1 少年の疑問 高い空、小さな命 太陽への疑問 母と、星と ふるさと杵築に育まれて
 2 天体観測と暦 暦のまちがい 時間と暦
 3 人生の転機 日蝕予言と三浦梅園 大坂 決意
 4 〈麻田剛立〉第二の人生 〈麻田剛立〉誕生 小宇宙の探求 大坂の町医者
 5 大宇宙の探究 西洋式天体観測への没頭 望遠鏡で見た月 八年後の日食
 6 天文学を科学に 天文塾〈先事館〉 ケプラーの第三法則 寛政の改暦
 7 剛立天文学の精神

【感想】
 江戸時代に日本中に名を知られる天文学者がいたということを知らなかった。麻田剛立という名も知らなかった。長年の観測データーに基づき、日蝕や月蝕を正確に言い当てていたことも。知的好奇心をくすぐる一冊だ。これから理科関係の本を開いて、天文に関することや、ケプラーについてや、江戸時代の暦のこなど、調べてみたくなった。ちょうど、この夏日蝕が日本中の話題になったことだし。
 九州の杵築藩に生まれた剛立の学問への真摯な思いと情熱を、伝記風にまとめてある。強い好奇心を持ちつづけること、ひたむきに学ぶこと、人と人とのつながりを実感すること・・・・現代の私たちに薄れてきている大切なものを改めて示してくれる。
 文章は平易で読みやすいが、天文学や医学、江戸時代の学問などの特有の用語との違和感があった。あくまでも個人的な感覚だと思うが。こども向けだからといって、文章を易しげにすればいいというものではないような気がする。私の興味を引きつける題材であっただけに残念。(まあ、私のために書かれた本というわけじゃないけどね。)中学生対象の課題図書になっているが、小学校高学年?という感じがする。


[かわいい]おまえの行動はまちがってはいない。だが、世の中には、正義のみでは通じない世界もある。
[かわいい]たとえ今は正しくても、未来の人が見たときにはまちがいだらけのものに見えるにちがいない。


    [猫]中高生へのおすすめ度 ★★☆☆☆


 

読書の時間 「NO.6[ナンバーシックス] #7」 [読書・本]

[本]NO.6[ナンバーシックス] #7[本] YA!ENTERTAINMENT
     あさのあつこ(講談社 997円)
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【内容紹介】
紫苑ネズミは、矯正施設の内部に踏み込むために扉を開ける。目指すは、最上階。聖都市NO.6の最深部だ。幾重にも取り巻いたセキュリティシステムをかいくぐり、沙布を助けるために進んでいく。二人の侵入に気づいた職員をかわし、兵士たちを倒し、傷つきながらたどり着いた最上階で見たものは・・・。

【感想】
いよいよ物語は、クライマックスに。#6までに、描かれていたいくつかの点がだんだんとつながって線になってきた。#8が今年7月に発売されているので、沙布との再会の様子やネズミの生い立ちがそこで描かれているのだと思う。寄生バチの秘密や、NO.6の市長フェネックと謎の男は紫苑とどういう関係にあるのかも、楽しみ。

案外あっさりと最上階にたどり着いたなという感じはするが、矯正施設内部の描写は目に浮かぶように描かれていて、さすが!あさのあつこである。
3時間ほどで、一気に読んだ。(この作品を読んだことのない人は、#1からの一気読みがおすすめ[るんるん]

登場人物については、私個人はイヌカシが気になる人物である。ネズミへの複雑な思いがいいねえ~。ネズミも魅力的な人物だし。
話が進むにつれて、沙布がかわいそうになってきた。何となく予想はしていたのだけど、次の#8で全容が分かったら、私は泣くかも・・・。

   [猫]中高生へのおすすめ度★★★★☆ 

読書の時間 「ルール!」 [読書・本]

[本]ルール![本]
ルール!.jpgシンシア・ロード/作  おびか ゆうこ/訳  (主婦の友社 1680円)
【内容紹介】
主人公キャサリンは、12歳の女の子。自閉症の弟がいる。
弟にうまく生きていくための「ルール」を教えこんでいるが、うまくいかないこともけっこうある。夏休みに、となりの家に同い年の女の子が引っ越してきた。キャサリンは、仲良くなろうとするが・・・・。
「自分」でいることの難しさ、生きていく上で本当に大切なことを教えてくれる一冊。


[猫]今、世間では自閉症についてだいぶ認知されてきたが、ついに児童文学に登場か!というのが、最初の感想だった。テーマとしては重くなりそうだが、この作品はユーモアがあり、とっても明るい。ニューベリー賞受賞というのもうなずける。

アーノルド・ローベルのがまくんとかえるくんのセリフが、随所に出てきて、これが効果的! ほのぼのとした気持ちになれる。(がまくんとかえるくんを知らない人には、この作品の良さは半分しか伝わらないだろう。)
ふたりはともだち.jpg ふたりはいっしょ.jpg


[揺れるハート]ひっしに背のびしたり、がんばったりしなくてもいい、自分のままでいられる友だちが、やっぱりいちばんだ

[揺れるハート]自分の言葉でしゃべるのはいいことかもしれないけど、ほかにもだいじなことがいっぱいある。明日、そのことをママにちゃんとつたえよう。あたしとデービッドだけがわかる、ささやかだけど、とくべつなおしゃべりを、いつまでもだいじにしたいから。


    [猫]中高生へのおすすめ度★★★☆☆


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